優良企業の紹介

“かけがえのない建築”を作り続けていくために
課題と徹底的に向き合い、持続可能な企業経営にシフトチェンジ中!

株式会社 関・空間設計

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お話をお伺いした方

  • 企画部リーダー/宮腰紀子さん
    「小さなトライから始まり、諦めずに進んできました」
  • 設計監理部次長/斎藤拓也さん
    「少し違っていても任せてみる。良い循環が生まれてきています」

地域に根差した建築設計を多数手掛けてきた「株式会社 関・空間設計」。東日本大震災以降、地域価値の継承と創造、地域グランドデザインの共創に、より力を注いできた企業です。
自社の仕事を最大化するために、働き方改革に着手したのは2014年のこと。一人一人に気づかうこと、現状を可視化することなど、小さな取り組みから始まり、長時間労働など“設計業界のあたり前”を変えてきた独自の取り組み。「みやぎ働き方改革実践企業」となるまでの歩みをお伺いしました。

Interview企業インタビュー

Q1「みやぎ働き方改革支援制度」は2019年にスタートしたばかり、御社は2社目の実践企業として認証を受けました。制度がスタートしたタイミングが良く、認証に繋がったとお聞きしましたが、どのような経緯だったのでしょうか。

企画部リーダー 宮腰さん

宮腰さん:2014年にスタートした私達の働き方改革ですが、正直具体的な成果が出はじめたのはごく最近のことです。長時間労働が当たり前、荷物や書類が山積み、電話が鳴りっぱなしのオフィス…そんな状況を変えたい、と2012年に中堅メンバー8名で「チームカイゼン」を立ち上げたのが最初です。山のような課題に向き合い、解決策を見出す。その過程で社内の意識変化が見られるまで5年という時間を要しました。

小さなトライを重ね、やっと具体的な取組みができるようになったのは2017年。自社で働き方ワークショップを開催します。日々の思いを全社で出し合い課題を改めて可視化することで、一人一人が自分の問題として働き方改革を考えるようになっていきました。実はその開催と、労働基準監督署の査察の時期が重なったのです。社内の意識向上と外部からの働きかけの相乗効果で、一体感を持って取り組みが始まることとなりました。

その成果が出始めたタイミングと制度が始まったタイミングが合致し、認証を受けることができたと感じています。

Q2地道なトライを重ねた3年間と、一気に進んだ2年間があったとのことですが、その5年間の動きについて、具体的に教えて下さい。

働き方ワークショップの風景

宮腰さん:「チームカイゼン」を組織した時は、何もかも手探り。社内の会話も少ない状態からのスタートだったので、体調の悪そうな社員に声をかけてみる、会議のあり方を変えてみるなど、スモールステップでコミュニケーションを続けました。設計は長時間働く仕事という固定概念は根強く、そこをノックしていくことはとても重い仕事でした。2014年に働き方改革をスタートするも、地道なトライは続きます。それらに並行して、海外研修制度を利用して外国の建築を見学に行ったり、セミナーを積極的に受けたり、仕事力、人間力の向上にも取り組んできました。会社の外に出ることは、自社の状況を正しく把握するためにとても有効でした。残業時間の集計は2015年からスタート。可視化することで、少しずつ状況は変化していきました。

社内全体がようやく働き方改革に意識が向いたのが2017年です。査察によって、未払い残業代の清算、過去の勤務実績の整理、働き方ワークショップの継続開催など、それまで手をつけられなかった課題に向き合えたことで、空気も大きく変わりました。チーム毎に成果を出す!という意識で本気の働き方改革がスタート。やっとスタート地点に立ったあの時の高揚感は忘れられません。

Q3社内ワークショップの内容はどのように活用し、どんな成果が出ましたか。また、残業時間の集計管理の方法や、社内の環境整備などについてもぜひシェアをお願いします。

ワークショップで出た意見を5つに分類

宮腰さん:正直、働き方ワークショップでは、不満がたくさん出されました。それらを、「仕事の入り口でよく考える」「社内体制の見直し」「設計・監理業務の効率化」「社内コストの先行管理」「社内業務全般」の5つに分類。グループ毎に具体的な内容を検討、実行し、成果について定期的な共有を継続したところ、半年で7割近くの課題が改善されました。ワークショップはその後も必要に応じて開催されるようになり、課題解決に役立っています。

残業時間はマネージメントシートを活用し、自己管理とチームでの共有をしています。事前に働く時間を考え、定期的に実績と比較するという形式です。業務負担を具体的にし、適切に配慮するために役立っています。

社内環境で大きな課題だったのが、膨大な荷物、書類、図面の管理でした。若手が中心となって時間を捻出してデータ化に着手し、現在も進行中です。

Q4働き方改革によって良い循環が生まれてきているということですが、具体的にはどんなことがありますか。それを今後どうつなげていきたいかも教えて下さい。

設計監理部次長 斎藤拓也さん

斎藤さん:かつては「自分の業務だけで手一杯」という空気が社内にありました。今は「声に出したことが実現される」という状況になり、そのことで、若手からアイディアが出るようになっています。自主的にワークショップを実施したりもしていて、若手が活発になった。得意なことはどんどんやってもらい、少々間違ってもいいから任せたいと思っています。

宮腰さん:若手がチームを作り、「図面を整理したい」と手をあげてくれて、環境整備にも繋がりました。インターンシップがきっかけとなって、入社を希望してくれる若者が増えているのもうれしい変化かなと思います。

会社をより良くするサイクルをダイアグラム(曼荼羅)に表現

斎藤さん:働き方改革は終わりがなく、まだまだ課題もあり道半ばです。

数年前、「チームカイゼン」が中心となり、自社の設計理念に対する意識や理解度のバラつきについて考えた時期がありました。改めて設計理念を検討することにし、数カ月議論を交わしてたどり着いたのは「原点の再定義」。元々の設計理念を一語一語考えてみるということでした。それを、設計手法に落とし込んだ「12のことば」というものがあるのですが、SDGs(持続可能な開発目標)と重なる部分が多いのです。

私たちが考える設計の先は、持続可能な開発目標と繋がっている。当然のことかもしれませんが、改めて自分達の設計理念を意識することで組織文化が醸成され、「Spirit Of Place(SOP)」の文化と良い循環が続いていくのではないかと思います。

まとめ(編集後記)

古い固定概念の根強さは働き方改革の障害になりやすいものですが、少しずつ意識変化を促してワークショップ開催までたどり着いたプロセスはとても参考になります。また、ワークショップは声をあげやすい環境づくりに有効だと感じました。試行錯誤を繰り返し、最終的にたどり着いた理念。創業の精神は良い仕事の根底にいつもあるのだろうと思いました。